お墓(墓地)とは~その意味と役割~

お墓の基本 故人様のご遺体を埋葬、或いは ご遺骨をお納め・保管する為の設備を言います。この日本に於ける お墓を建立し、家族で守り(供養)続ける墓制度の習慣は仏教を基にして三百数十年前の江戸時代に確立され、現在に至まで面々と踏襲されて参りました。

ご遺体を埋葬し、墓石を目印として供養する目的とは

  • 故人様に敬意を表し、死後の世界で再生、往生、復活できる事を願う
  • ご遺体の復活を怖れ、宗教的な処置をすると同時に物理的な脱出を困難にする
  • ご遺体をそのまま放置するのは衛生上好ましくない
  • 故人様のご供養を葬儀の時のみならず継続的に行うには墓石が残る埋葬は便利である

江戸時代のお墓は集落の共有地、個人所有の土地の一区画、寺院所有の土地の特定区画などを墓地としてお墓が建てられておりましたが、明治時代に入り、東京などの都市部で自宅の裏庭などに無制限に墓地が造成されるのを避ける為、墓地埋葬法が制定されます。更に昭和23年「墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)」が制定され、それ以降、 都道府県知事の認可した土地、若しくは建物でのみでご遺体の埋葬 と遺骨の保管が可能と成りました。 墓制度の習慣は江戸、明治、大正、昭和時代と日本人の間に踏襲されてお墓参り参りましたが戦後70年以上が過ぎ、その間に起きた核家族化、少子高齢化、宗教観の変化(宗教に対する依存度の低下)、都市部での墓地事情等から墓制度の習慣も多きく変化しつつあります。東京や神奈川といった日本でも有数の都市部では特にその傾向が強いと言えるでしょう。20世紀末のバブル時代にはお墓不足が問題になったことがありました。

横浜市港北区で葬儀業を営む「ひかりの杜」さんhttp://www.aoisousai.netにお聞きしますと、故人様とご遺族にとって良い葬儀か、良い供養かどうかはお墓の有無で決まるわけではないと言います。「何よりも故人の遺志とご遺族の思いが大切。遠くの立派なお墓よりが無理せず訪れることができる『苦にならない供養』の方が故人様にもご遺族の方にも幸せでしょう。格式高いお墓も立派ですが、もっとカジュアルに考えるのが現代的で故人様もお喜びになるでしょう」と現代の葬儀事情を解説してくれました。

ご遺体を埋葬する土葬の形式は特定の地域を除いて無くなりました。日本に於ける現在の火葬率は約99%で、イスラム教などの特定の宗教を信ずる方以外はご火葬された焼骨で納骨されるのが一般的と成りました(キリスト教でも日本ではご火葬が前提となります)。