墓地、埋葬に関する法律に基づき、都道府県知事より認可を受けた施設で、骨壺に納められたご遺骨を安置しておくことができる建物が納骨堂です。管理・運営の主催者により、寺院納骨堂、公営納骨堂、私営納骨堂に分かれます。ご遺骨の保管はお墓を建てるまでの短期間、5年間・10年間等の長期保管、永代保管などの形態がございます。永代保管の場合、特定期間内は何時でもお骨壺に面会することが可能ですが、それ以降になるとご遺骨は特定場所に合祀され、その後の面会はできないのが一般的です。
現代の納骨堂はお墓を継承する方がおられない場合や、経済的な理由でお墓を建立する事ができない方々の為に提供が始まりました。現代では生涯独身の方、お持ちのお墓の維持・管理に負担を感じ始めた方、お墓が遠方でお参りに行きにくい方などに選ばれております。お墓を建てるには墓地の永代使用料、墓石代と工事費用、維持管理料等が必要となりますが、納骨堂では墓石建立の費用は不要であると共に使用する空間も大幅に小さくなるので、使用料も少額になります。
お墓は屋外に建立され、風雨にさらされて居るので適時、清掃をしなければなりません。また、墓石の老朽化に伴う補修も必要となります。その点、納骨堂はお骨壺は屋内に安置されており、常に清潔な環境の中で保管されているので、天候に左右されずお参りすることが可能です。さらに納骨堂はビルの内部で運営する事が可能なので、駅近くに所在する場合は交通の便も大変良くなります。
納骨堂でのご遺骨(骨壺)安置の方法
- ロッカー式
- 棚式
- 仏壇式
- お墓式
これらが主な形式です。どの方法も見た目は異なりますが、内部にはお骨壺を安置するための納骨壇とご位牌を安置する祭壇が用意されております。なお、納骨堂は一般的に宗旨を問われずに利用できますので、神道やキリスト教も利用が可能です。納骨堂のご利用にあたり、ご注意いただかなくてはならないのが、ご遺骨を納骨された時点でその管理主体はご遺族から納骨堂管理者に移行されることです。したがって、それ以降は管理者の許可なくご遺骨を持ち出すことができません。無断で持ち出した場合、法律による処罰の対象となります。
近年、納骨堂は室内霊園とも呼ばれて増えており、マンション形式で多数の納骨壇を持つ施設なども多くなりました。都内には9階建の日本最大の屋内霊園がございます。また、香港やシンガポールなど国土の狭い国ではより大型の室内霊園が建てられるケースが増えています。
横浜市には市営の納骨堂として横浜市久保山霊堂がございます。久保山霊堂は横浜市西区元久保町1-1に位置し、家族納骨壇2000基、短期保管庫910基、大式場・小式場各1の施設を維持して居ります。家族納骨壇は扉付きの納骨壇で、上部は香炉及び花立が配置された祭壇、下部は6体分のご遺骨を納めることができる壇となっております。10年間で12万円、若しくは5年間(6万円)の利用が可能となっております。
短期保管庫はロッカー形式でご遺骨を1体分を安置し、保管期間は1年(3千円)となります。横浜市民であれば申込みは可能ですが、現在は申込み多数で順番待ちの状態となっております。